アスファルト防水は歴史のある防水工事?メリットや工程についても紹介!
投稿日:2023.11.26 更新日:2024.2.22
防水工事の中でも、マンションの屋上などで行われることの多いのがアスファルト防水工事です。
この方法は、かなり歴史の古い防水工事ということをご存知でしょうか?
この記事では、アスファルト防水の歴史や良いところ・悪いところなどについて詳しくご紹介します。
この工事の工程についてもご紹介するので、最後まで記事をチェックして下さいね!
アスファルト防水とは
この方法は、アスファルトルーフィングと呼ばれるシート状の防水材を、下地に防水工事用アスファルトで貼り付けるというものです。
貼り付ける際には、熱工法・トーチ工法の場合はアスファルトを溶かして接着材にします。
常温工法の場合はアスファルトに熱は加えず、ルーフィングシートの裏側の粘着性のあるゴム部分で下地に接着させます。
この方法は狭いところでの施工にはあまり適していないため、学校やマンションの屋上などで施工が行われることが多いです。
アスファルト防水の歴史
アスファルト防水のれきしは古く、最初に日本でこの工法が行われたのは1905年とされています。
大正時代を代表する建築家・田邊淳吉の設計による大阪瓦斯事務所で用いられたのが最初と言われています。
その後、この方法に必須のルーフィングシートの完全国産化が1920年頃に行われ、1950年代には国内初の改質アスファルトルーフィングの生産が行われました。
現在は国産の材料を使ってアスファルト防水が行われていますが、国内で初めて行われた頃は、すべて外国産のものを使用していたと言われています。
アスファルト防水の工法
アスファルト防水の工法についてもおつたえしていきます。この方法のの工法には、以下の3種類があります。
熱工法
熱工法は、一般的によく知られているアスファルト防水の工法です。
熱工法では、アスファルトを溶かして接着材として使用し、ルーフィングシートを2〜4枚積み重ねていきます。
220~270度の熱でアスファルトを溶かすので、独特のにおいや火災の危険性などもあり、近年は熱工法を使用する業者が減ってきています。
トーチ工法
トーチ工法は、トーチバーナーと呼ばれる道具を使用し、ルーフィングシートの裏面とアスファルトを炙りながら貼り付けていく工法です。
道具を使って炙りながら作業を進めていくので、熱工法よりも炎が小規模で済みます。
また熱工法に比べると煙が少なく、においもすくないため、近年は熱工法よりもトーチ工法で行う業者も増えてきています。
ただバーナーとはいえ火を使用するので、周囲に燃え広がるものがない屋上などのひろいところでの施工が多いです。
常温工法
常温工法は、アスファルト防水で唯一火を使わない工法です。
熱工法とトーチ工法では、アスファルトを溶かして接着材としていましたが、常温工法ではゴムアスファルトの粘着層を貼り付け、下地に接着させます。
火を使用せずに施工可能なので、熱工法やトーチ工法よりも施工できるところの選択肢が多いです。
ただ、熱工法やトーチ工法に比べると防水層の密着度が劣るので、防水効果も低くなってしまうわるいところがあります。
アスファルト防水のメリットとデメリット
アスファルト防水のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
アスファルト防水のメリット
アスファルト防水を採用することによって、以下のような良い所があります。
- ・歴史のある工法なので、確実な防水効果が見込める
- ・耐久性が20年程度ある
- ・実績が豊富なので、施工できる業者も多い
最大の良い部分は、古くから使用されてきた信頼のある防水工事だということです。
そのため、確実な防水効果が認められていると同時に、施工できる業者も多いです。
さらに、他の防水工事が10年〜15年程度の耐久年数なのに対し、アスファルト防水は20年以上の耐久年数があるのも良い部分です。
アスファルト防水のデメリット
アスファルト防水の悪い部分には、以下のものがあります。
- ・狭い場所での施工には不向き
- ・熱工法の場合はアスファルトが焼けたにおいが広がる
- ・熱を使用するので火災の心配がある
- ・熱工法やトーチ工法には、高い技術力が必要
屋上などのひろい場所では、アスファルト防水以外の工事も可能です。
弊社では、施工箇所に合わせて適切な防水工事をご提案させて頂きますので、お気軽にご相談下さい。
アスファルト防水以外の防水工事
アスファルト防水以外の防水工事についてもご紹介しましょう。
アスファルト防水以外の防水工事には、以下のようなものがあります。
シート防水
アスファルト防水以外の防水工事には、シート防水があります。
シート防水は、塩ビや合成ゴムなどのシートを下地に貼り付ける工法で、アスファルト防水と同じようにマンションの屋上などのひろい場所で行われることが多いです。
シートを接着して大きな一枚の防水材として使用するので、凹凸やムラのない施工が可能です。
ただ、万が一にも亀裂などが入った場合は、防水層全体に水が入り込んでしまう悪い部分もあります。
シート防水については、こちらの記事でもくわしくおつたえしています。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂を下地に塗布する工法です。
ウレタン樹脂は液状なので、複雑な形の場所や凹凸のある場所などにも施工可能です。
ただウレタン樹脂は紫外線に弱い悪い部分があるので、トップコートの塗布は必須。
5年に一度程度はトップコートの塗り替えが必要です。
ウレタン防水については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
FRP防水
FRP防水は、プラスチック樹脂やガラス繊維でできたシートを下地に貼り、さらにその上から樹脂を塗布して硬化させ、防水層を作る防水工事です。
硬化するとかなり丈夫になるので、人の往来がある場所への施工にも向いています。
またFRP防水も紫外線に弱いという悪い部分があるので、トップコートの塗布が必須です。
FRP防水について詳しくご紹介した記事は、こちらからご確認いただけます。
アスファルト防水は古い歴史のある防水工事で、現在も人気!
アスファルト防水についてご紹介してきました。
アスファルト防水は100年近くの歴史ある防水工事で、確かな防水効果が確認されています。
熱工法・トーチ工法・常温工法の3種類の工法があり、施工場所などに合わせて工法が選ばれています。
火を使用することやアスファルト独特のにおいが広がることもあり、近年は常温工法が増えてきています。
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