金属のサビはなぜ起こる?原因やサビの種類・サビ止め塗料について解説
投稿日:2024.10.19 更新日:2024.11.5
外壁や屋根の素材に金属を使用した際に気になるのが、「サビ」による金属の変色や劣化です。
最近ではガルバリウム鋼板などサビにくい素材もありますが、「サビない」というわけではありません。
この記事では、金属に発生するサビの原因やサビの種類・サビ止め塗料について解説いたします。
金属のサビはなぜ起こる?
サビとは金属の酸化現象です。
つまり、空気中の酸素と水が金属と化学反応を起こすことで、酸化した状態のことです。
例えば、鉄をそのまま放置しておくと茶色のサビが発生します。
これは鉄分子イオンが、空気中にある水や酸素と結合し酸化したからです。
しかし、酸化は酸素や水だけで引き起こされるわけではありません。
塩化物や排気ガス・ホコリによっても発生します。
特に雨が長く続く梅雨の時期や、沿岸地帯など潮風の影響をうけやすい地域、排気ガスの多い地域の住宅はサビが発生しやすいでしょう。
またサビの原因は他にも、人が金属に触れたり、もらいサビなどによるものもあります。
もらいサビとは、サビていない金属部分にサビている部分が触れてサビが移ってしまうことです。
サビにくい材質でも、金属の表面にサビが移ることでサビの影響を受けてしまいます。
サビることのデメリットとは?
1番のデメリットは外観の美しさが失われてしまうことです。
金属がサビてしまうと本来の美しい光沢が失われてしまい、茶色や黒色に変色してしまうからです。
また、外壁や屋根に使用している金属の防水性能や強度が低下してしまうと、サビた金属はもろくなり、部品が破損してしまうなどの危険性が高まります。
サビ止め塗料の種類
サビ止め塗料は、屋根や外壁などに使用されている金属材の腐食・進行を抑制するために効果的な塗料です。
主な成分は溶剤や添加物・顔料などで、成分の中にある顔料が作用し、サビの原因となる空気中の酸素や水を取り除いてくれます。
その結果、金属の腐食を防ぐことができるのです。
サビが発生した金属をそのまま放置しておくと、サビがどんどん進行して穴が空いてしまったり、強度が低くなってしまう可能性が高まります。
そのため、サビ止め塗料で表面をしっかりとコーティングすることが大切です。
サビ止め塗料は3種類あります。
それぞれの特徴を紹介します。
エポキシ樹脂系
エポキシ樹脂系は、エポキシ樹脂にサビ止めの顔料が入った塗料です。
耐久性が高く、防食性や防錆効果も高く効果が期待できます。
また、速乾性に優れていることもメリットです。
また、塗料の性能や職人の作業効率も高いため、現在一戸建て住宅でも多く使用されています。
一方で、エポキシ樹脂系塗料は紫外線に弱いというデメリットもあります。
そのため、屋外の仕上げ用の塗料にはおすすめできない塗料です。
油性系
油性は塗料を厚く塗るため密着性に優れており、防錆性能も高いです。
しかし、乾燥時間が長いことがデメリットです。
作業上の問題から、最近ではほとんど使用されなくなりました。
合成樹脂系
合成樹脂系は、油性系に分類されるサビ止め塗料です。
油性系と比べると乾燥の時間も短いことが利点です。
また、接着性や防食性、耐久性も高く、紫外線にも強いといったメリットもあります。
一方、防錆性は油性系に比べると低いです。
合成樹脂系は、総合的に見ると比較的バランスの取れた塗料といえます。
サビの種類
主なサビの種類を紹介します。
赤サビ
赤サビは日々の生活で目にする機会が多く、一般的に「サビ」というと赤サビをイメージする人が多いのではないでしょうか。
赤サビは主に鉄や銅に生じるサビで、美観が失われたり、形状の劣化を引き起こしたりします。
例外として、銅に生じる赤サビは腐食ではなく、銅を守る保護皮膜の作用があります。
白サビ
白サビは、亜鉛やアルミニウムに発生する灰白色の粉状のものです。
亜鉛は、素材を保護するためのメッキ金属として広く使用されています。
メッキ皮膜の消耗はほんのわずかで、耐食性の影響をほとんど受けません。
また、アルミニウムは薄い酸化皮膜に覆われているためサビにくいのが特徴です。
しかし、水分が付着すると水和酸化物に変化し白サビが発生してしまいます。
黒サビ
黒サビは、鉄に発生するサビで「黒皮」とも言います。
この黒サビは鉄の表面を保護し、赤サビの発生を防いでくれる作用があります。
そのため、内部の侵食を抑制してくれることが利点です。
青サビ
青サビは、銅に発生するサビで「緑青(ろくしょう)」とも言います。
銅板の屋根や銅像などで見られる青サビは、銅の腐食を抑える効果があります。
鎌倉の銅像や十円玉などで目にすることができます。
黄サビ
黄サビは、鉄や亜鉛のメッキを加工した銅板で見られることが多いです。
また、装飾や塗膜処理をした鉄銅製品にも発生します。
ただ、黄サビの原因は今のところ不明です。
金属にサビが発生した時の補修方法
軽度なサビの場合には、サビ用洗浄ブラシやスポンジを使用し落ちる場合もあります。
しかし、建材内部までサビが進行してしまった場合には、洗剤の成分に研磨剤が含まれているため、強くこすると建材が傷ついてしまう可能性が高まってしまいます。
そのような場合には、まず高圧洗浄機やケレンでしっかりとサビを落とします。
その後、サビ止め塗料、上塗り塗料の順で塗装をおこないます。
ただし、屋根の場合は劣化の状況によっては塗装が難しいケースもあります。
そのような場合には、カバー工法や張り替えをおこないます。
また外壁の場合でも、サビの症状が著しい時には張り替えの補修が最適です。
まとめ
金属のサビは、空気中にある酸素や水が金属と化学反応を起こすことで発生します。
また、金属にサビが発生する原因は酸素や水だけではなく、人が金属に触れたり、もらいサビなどでも発生します。
金属が腐食すると本来金属が持つ美しい光沢が失われるだけでなく、防水性が低下してしまいます。
そしてそのまま放置しておくと、穴がどんどん広がり強度も低くなってしまうため、金属の腐食を防ぐためにもサビ止め塗料が最適です。
*K*
当社では無料診断をおこなっておりますので、「プロが見る無料診断」をぜひご利用ください。
千葉市、四街道市、佐倉市ほか、千葉県全域で、塗装工事、屋根工事のことなら、四葉建装へお気軽にご相談ください。
千葉県千葉市|外壁塗装・屋根塗装【(株)四葉建装】