鼻隠しと破風の違いは?それぞれの役割についても解説!
投稿日:2023.5.21 更新日:2024.2.22
屋根には、鼻隠し(はなかくし)や破風(はふ)という部分があります。
実は鼻隠しと破風(はふ)は、間違えられやすい部分なのでよく知られています。
はなかくしとはふは、どのように違うのでしょうか?
この記事では、鼻隠し(はなかくし)と破風(はふ)の違いやそれぞれの役割などについて解説するので、最後まで記事をチェックしてください!
鼻隠しとは?
まずは、鼻隠しがどんなものから解説しましょう。
鼻隠しというのは、あまどいがある屋根の軒先に設置された板材のことで、本来なら見えてしまうはずの屋根のたるきを隠すようにぴったりと軒先をカバーしています。
屋根の中には、中央の一番高いところに棟木があり、その棟木から斜めに取り付けられたのが垂木(たるき)で、屋根の傾斜を作っている部分でもあります。
たる木の先端は建築用語で「鼻先」と呼ばれており、この鼻先を隠す役割を担っていることから「鼻隠し」と呼ばれるようになりました。
弊社の鼻隠しの塗装を紹介した記事は、こちらからご確認いただけます。
破風(はふ)とは?
続いては、破風(はふ)について見ていきましょう。
破風(はふ)というのは、上のイラストにあるように、屋根を正面から見て三角に見える部分の先端のことです。
破風(はふ)は、桁や母屋の木口をかくして家の中の中を守るために取り付けられています。
破風には、形や位置によって、「入母屋破風」、「唐破風」、「千鳥破風」、「切妻破風」などがあります。
弊社で行った破風の塗装の様子は、こちらからご確認いただけます。
鼻隠しと破風(はふ)の違い
鼻隠しと破風についての説明が終わったところで、2つの違いについて見ていきましょう。
どちらも屋根の先端部分に取り付けられた板ですが、取り付ける部分が違います。
鼻隠しは、屋根の軒先に取り付けられる部分で、地面と平行に取り付けられます。
破風(はふ)は屋根の妻側に取り付けられる部品で、屋根の傾斜部分に取り付けられます。
また、破風(はふ)は正面になることが多く、昔はさまざまな彫刻が施されたり、意匠が取り付けられることもありました。
現在も古いお寺や神社などでは、破風部分に彫刻や意匠が施されたものが残っていることがあります。
鼻隠しの役割
続いては、鼻かくしの役割について見ていきましょう。鼻隠しをつけることによる利点には、以下のようなものがあります。
垂木の切り口を隠し、美観をアップさせる
鼻隠しは、その名の由来になっている通り、たるきの切り口(鼻先)を隠す役割を担っています。
垂木(たるき)の切り口が見えてしまっている状態では、建物の美観にも影響してしまいます。
鼻隠しでその部分の切り口を隠すことで、お住まいの美観を整えています。
垂木同士を繋ぐことで、屋根の強度をあげる
鼻隠しには、屋根の中のたるき同士を繋ぐ役割もあります。
鼻隠しがない状態だと、たる木は棟木と繋がっている状態ではあります。
棟木と繋がっている上に、鼻隠しがあることで、たる木同士も繋がることになり、屋根の強度が上がります。
屋根の中への風の吹き込みを防ぐ
鼻隠しには、屋根の中に風が吹き込むのを防ぐ役割もあります。
そよ風のような小さな風なら、屋根の中の湿気を取り除くような役割もありますが、台風のような強風の場合、屋根は下からの吹き上げに耐えきれず、壊れてしまったり、飛んでしまったりすることもあります。
屋根は上からの衝撃には強いですが、下から吹き上げる風にはあまり強くないので、鼻隠しの役割は大きいです。
垂木の腐食を防止する
鼻隠しは、垂木の腐食を防止する役割もになっています。
たる木の切り口は、水分を吸収しやすいという特性があるため、水に濡れるのは良くありません。
鼻隠しで屋根の中に雨が入り込むのを防ぐことで、たる木が腐食するのも防止します。
たる木は屋根を作る大切なところでもあるので、万が一にも腐食してしまった場合は、大がかりな工事が必要になることもあります。
雨樋の取り付け金具を取り付ける
鼻隠しには、雨樋の取り付け金具を取り付ける役割もあります。
つまり、鼻隠しがあることによって、雨樋がしっかり固定されることになります。
雨樋は、屋根から雨水を地面に誘導する大切な場所なので、しっかりと正しい位置で取り付けることが必要です。
破風の役割
続いては、破風(はふ)の役割についても見ていきましょう。はふの役割は鼻隠しとかぶる部分もありますが、異なるものもあります。
火事などから建物を守る
破風の役割には、火事などの火から建物を守ることがあります。
破風は、万が一の火事の際には延焼を防ぐため、燃えにくい素材が使用されています。
また、破風が屋根を塞いでいることで、屋根の中に火が燃え移りにくくなります。
屋根裏に火がまわってしまうと、あっという間に建物が焼け落ちてしまうので、破風の役割は重要です。
雨や風を防ぐ
破風は、鼻隠しと同じように、雨や風から建物を守る役割を担っています。
破風があることによって、屋根裏に水分や風がはいらないようにしてくれます。
家屋の中に雨が入ると、中の木材が濡れてしまい、腐食する原因にもなります。
また、屋根の中に強風が入ると、屋根の下から風が吹き込むことになり、下からの風に弱い屋根は壊れてしまう可能性があります。
建物の顔の役割
現在はシンプルな破風が多くなっていますが、かつての破風は、建物の顔としての役割をになっていました。
彫刻や飾りが施された豪華な破風は、現在も古い日本家屋や神社、お寺などに残っています。
雨樋の下地は何のためにある?
破風(はふ)には、鼻隠しと同じように、雨樋をしっかり取り付けるための下地の役割があります。
破風と鼻隠しで雨樋を支えることで、雨樋が頑丈で容易に外れたりしないようになっています。
鼻隠しと破風のメンテナンス方法
鼻隠しと破風のメンテナンス方法についても見ていきましょう。
鼻隠しと破風の主なメンテナンス方法は塗装です。
鼻隠しと破風の素材はさまざまなものがあるので、耐用年数は素材によっても異なりますが、ほとんどの場合、塗装によって耐久性をアップさせることができます。
また、鼻隠しや破風の素材があまりにも傷んでいる場合は、素材を取り替えるという大がかりな工事も必要になります。
鼻隠しや破風を長く使用するためには、定期的な塗装のメンテナンスが必要です。
弊社では、外壁塗装・屋根塗装を行った後には、定期訪問をしてアフターフォローを行っております。
鼻隠しと破風は、どちらも屋根を守る大切なところ!
鼻隠しと破風について紹介してきました。
鼻隠しと破風は、どちらも屋根や家屋を守るための大切なところです。
雨風や紫外線に晒されるところなので、定期的に塗装のメンテナンスをするのがおすすめ。
弊社では、鼻隠しや破風も含めた屋根・外壁の無料診断を行っておりますので、ぜひご利用ください!
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