軒天とは?リフォームにおける役割とメリット
投稿日:2025.2.15 更新日:2025.2.28
リフォームをする際、建材選びは住まいのデザイン性や快適性に大きく影響します。
その中でも「軒天(のきてん)」は、建物の耐久性を高めながら外観の印象を左右する重要な要素です。
軒天の破損や腐食した状態を放置すると、ネズミやハクビシンの侵入や蜂が巣をつくることによる被害が発生する可能性があります。
また、建物全体に雨水が浸入するケースもあり軒天について理解していくことが必要です。
本記事では軒天とは何か、その役割やリフォームに取り入れるメリットを分かりやすく解説します。
軒天とは?
軒天とは、建物の外壁よりも外側に張り出した部分(軒)の裏側に取り付けられる天井のことです。
外から見たときに、屋根の裏側をきれいに見せる役割を果たします。
主に木材・金属・樹脂・不燃ボードなどが使われ、住宅や商業施設など幅広く採用されています。
軒天の主な役割と機能
軒天には、以下のような役割があります。
①建物の美観を整える
屋根の裏側がむき出しのままだと、木材の接合部や屋根材の裏側が見えてしまい、外観が乱雑になります。
軒天を取り付けることで建物のデザイン性が向上し、すっきりとした印象を与えます。
②屋根裏の保護と耐久性の向上
屋根の裏側は雨風や紫外線にさらされやすく、放置すると劣化が早まります。
軒天を設置することで雨水の侵入を防ぎ、木材の腐食や金属部分の錆びを防ぐ効果があります。
③換気と湿気対策
屋根の内部は湿気がこもりやすく、放っておくと結露やカビの発生の原因になります。
そのため、換気口(有孔タイプの軒天)を設けることで、通気性を確保し、湿気やカビの発生を防ぐことができます。
④防火性の向上
近年の建築では、防火対策が重要視されています。
特に住宅が密集する地域では、防火仕様の軒天材(不燃材や防火塗装が施されたもの)が採用されることが多く、万が一の火災時に延焼を防ぐ効果も期待できます。
軒天の種類と特徴
軒天にはさまざまな建材が利用されており、その特性を理解し、自分の家に適したものを選ぶことが大切です。
ここでは、主に使用される建材について詳しく解説します。
特徴・メリット・デメリットを比較しながら、自分の家に合う素材を見つけてみてください。
①木材(自然な風合いを活かしたデザイン向き)
木材は温かみのある質感を持ち、和風住宅やナチュラルテイストの建物に適しています。
昔から使われている素材で、軒天に使用することで統一感のある落ち着いたデザインに仕上がります。
メリット
・デザイン性が高く天然木の風合いが美しい
・和風、洋風どちらの住宅にもなじむ
・調湿性がある木材は湿気を吸収したり放出したりする性質があり、室内環境を快適に保つ助けになる
デメリット
・腐食やシロアリの被害を受けやすい
・定期的なメンテナンスが必要で塗装や防腐処理を定期的におこなう必要がある
②金属(耐久性重視・モダンなデザイン向き)
金属製の軒天材は耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ないため、近年のモダン住宅で採用されることが増えています。
特に、アルミやガルバリウム鋼板が使用されることが多いです。
メリット
・錆びにくく、長期間美観を維持できる
・ほこりや汚れがつきにくく、掃除の頻度を減らせる
デメリット
・冷たい印象になりやすく、住宅全体の雰囲気が無機質になりやすい
・他の素材と比べると割高となる場合がある
③樹脂(コストパフォーマンス重視・軽量で扱いやすい)
樹脂製の軒天材は軽量で施工しやすく、コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
PVC(塩化ビニル)やFRP(繊維強化プラスチック)などが使われます。
メリット
・耐水性が高く、湿気の影響を受けにくいため、カビや腐食に強い
・軽量で施工しやすいため、住宅の構造への負担が少ない
・比較的安価で導入しやすい
デメリット
・高級感がやや劣っており、他の素材に比べて質感が落ちることがある
④ケイカル板(防火性・耐水性重視の住宅向き)
ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)は、防火性と耐水性に優れたボード状の建材です。
住宅の防火対策としても重要視され、防火地域では使用が推奨されることが多いです。
メリット
・耐火性が高いため火災時の延焼を防ぎやすく、安全性が高い
・耐水性に優れ腐食しにくい
・塗装仕上げが可能で、さまざまなデザインに対応できる
デメリット
・無機質な印象になりやすく、単体ではコンクリートのような質感になる
・デザイン性を重視する場合は塗装が必要
軒天をリフォームするメリット
建物の美観や耐久性を維持するために、軒天の交換・改修をするメリットを解説します。
①建物の外観が美しくなる
軒天は経年劣化で汚れが目立ちやすい部分です。
新しくすることで建物全体の印象が向上し、デザインのアクセントにもなります。
②建物の寿命が延びる
劣化した軒天を放置すると、雨漏りや湿気による腐食が進み、屋根や外壁に悪影響を及ぼします。
適切な素材を用いた補修で耐久性を高められます。
③換気性能の向上
換気口付きの軒天に変更すると、屋根裏の湿気を効果的に排出し、結露やカビを防ぐことができます。
特に湿気が多い地域や木造住宅に適しています。
④防火対策が強化される
不燃材を使用すると火災時の延焼リスクを抑えられます。
防火地域や準防火地域では、適した素材の選定が必要です。
軒天をリフォームする際のポイント
①適切な素材を選ぶ
目的に応じた建物全体のデザインに合う素材を選ぶことが重要で、美観やメンテナンス、防火対策等なにを重視するのかを考えて選ぶ必要があります。
②外壁や屋根とのバランスを考える
色や質感を統一し、建物全体のデザインに調和させることで、洗練された仕上がりになります。
③定期的なメンテナンスを心がける
軒天は雨や湿気の影響を受けやすいため、塗装や清掃を定期的におこない、劣化を防ぐことが大切です。
まとめ
軒天は建物の美観を整えるだけでなく、耐久性・換気・防火対策など多くの役割を果たす重要な建材です。
リフォームの際には、目的に応じた素材を選び、屋根や外壁とのバランスを考慮することが大切です。
軒天の劣化が気になる場合は、専門業者と相談し適切な軒天リフォームをおこなうことで、建物全体の寿命を延ばし快適な住環境を維持できます。
*K*
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