外壁塗装における塗料の種類と選び方
投稿日:2023.12.9
家を建てる際、外壁塗装は一つの大きなポイントとなります。
外壁塗装は家の美観を保つだけでなく、建物を風雨や紫外線から守る重要な役割を果たします。
しかし、塗料の種類は多岐にわたり、どれを選べば良いのか迷うこともあるでしょう。
本記事では、外壁塗装の塗料の種類とその特性、そして選び方について詳しく解説します。
外壁塗料の種類
アクリル系塗料
アクリル塗料は艶のある美しい仕上がりが特徴で、非常にはっきりとした色合いに仕上がります。
色の種類も多いため、自分の好みに合わせて選ぶことができます。
さらに価格が安いため、広い面積を塗装する場合には他の高性能塗料を使用するのに比べ、コストパフォーマンスに優れている点もメリットです。
また、ほとんどのアクリル塗料は混合作業不要の「1液型」で扱いやすいのも特徴です。
デメリットとしては塗膜の劣化が早く、外壁に塗装した場合の寿命は5〜8年ほどで10年持たずに劣化してしまいます。
また、塗膜が固いという特徴があるためひび割れが生じやすいです。
耐用年数が短いことや他の種類の塗料が低価格化したといった理由から、近年では外壁塗装に使われることは少なくなりました。
ウレタン系塗料
ウレタン系塗料は光沢があるため、高級感を出すことができます。
また、弾性があり、ひび割れや変形に対して強いです。
さらに、扱いやすくメンテナンスが簡単で、アクリル塗料に次いで安価なためコストパフォーマンスが良いです。
デメリットとしてはおよそ5~8年と比較的短いことと、紫外線の影響を受けやすく変色しやすい点です。
また、湿度が高い環境下では性能が落ちる可能性があります。
ウレタン塗料よりも耐久性が優れるシリコン塗料が台頭するようになり、使われる機会が減りました。
シリコン系塗料
シリコン塗料は光沢のある高級感を出すことができ、耐候性と防汚性に優れていて耐用年数は約10年以上と言われています。
さらに防藻・防カビ性能も高いため、湿度が高い地域での使用に適しています。
価格はアクリル系よりも高いですが、長期間メンテナンスフリーであるため、結果的にはコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。
デメリットとしては、塗膜が固いためひび割れが起きやすい点です。
また、シリコン樹脂の含有量が塗料によって異なるため、シリコン樹脂の割合が少ないと耐久性が低くなり注意が必要となる点が挙げられます。
近年では耐用年数が長くコストパフォーマンスに優れるラジカル塗料の使用拡大によって、使われることが減り始めています。
フッ素系塗料
フッ素系塗料の耐用年数は約15〜20年と言われており、これは他の塗料に比べて非常に長いです。
防カビ性や防藻性がありカビや藻ができにくいという特性を持ちつとともに摩耗性が高く、光沢のある仕上がりを長く保つことができます。
デメリットとしては塗膜が硬いためひび割れが起きやすいことと、ツヤのある仕上がりが特徴となっているためツヤのある加工しかできないという点です。
また、機能性が高い分、他の塗料に比べて価格が高いです。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は2010年代になって発売された比較的新しい塗料です。
価格が安く、高性能であることが特徴です。
チョーキングが発生しにくく塗膜の劣化を抑制できるとともに、汚れも付着しにくいメリットがあります。
一方、実績がまだ少ないため、すべての塗装業者が扱っているわけではない点がデメリットになります。
また、実際の耐用年数はまだ証明されていないという点は知っておく必要があるでしょう。
ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料はナノテクノロジーを利用した水性塗料であり、樹脂成分が少ないためエコロジーとされています。
まず塗装した壁が汚れにくいと燃えにくい特性を持っています。
さらに紫外線や酸性雨への優れた耐性があり、経年による色あせが発生するリスクがほとんどありません。
これまで樹脂成分がシリコンの物ばかりでしたが、フッ素樹脂の物も発売されたことで耐用年数がさらに伸びました。
デメリットとしては、色の選択肢が少ないという点です。
艶のない色・彩度の低い色しか選択できません。
また、製造されているメーカーが限られるため施工できる業者も限られます。
ピュアアクリル塗料
ピュアアクリル塗料はアクリル塗料から不純物を取り除いた塗料です。
結果、フッソ系塗料と同じ耐久性を持ち、耐用年数が約15年程度と伸びました。
一番の特徴は高い弾性から得られる防水性です。
弾性があるため、地震で揺れたり湿度や温度によって外壁材が伸縮しても、塗膜が伸びてひび割れを防ぎます。
そのため、モルタルなどひび割れしやすい外壁に向いています。
デメリットとしては弾性塗料であるため外壁が汚れやすいという点と、価格は他の塗料よりも高い点です。
また、外国産の塗料であるため、取り扱っている業者・施工できる業者が少ないです。
塗料についてはこちら「塗料について」もご覧ください。
油性塗料と水性塗料の違い
油性塗料はシンナー等の溶剤を使用するために、水性塗料に比べると「臭いが強い」という大きなデメリットがあります。
そのため、外壁塗装に用いられることはほとんどありません。
一方で耐久性には優れるため、耐久性が必要とされる屋根塗装に用いられていることが多いです。
水性塗料は人体や環境に配慮した塗料です。
塗装後の刺激臭が少ないため、油性と比べ外壁に向いている塗装と言えます。
また、重ね塗りで均一な仕上がりが実現しやすく、さらに近年では技術開発が進み、油性塗料と耐久性も大きな差がなくなってきました。
ただし、塗装後の乾燥に時間がかかること、金属類には塗装しにくいというデメリットはあります。
外壁塗料の選び方
塗料を選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
1.外壁材の種類:建物の素材によって適した塗料が異なります。木造、コンクリート、サイディング、ALCなど、素材に合った塗料を選びましょう。
2.予算: 予算内で最も性能の良い塗料を選びましょう。ただし、初期費用だけでなく、メンテナンス費用も考慮に入れることが重要です。
3.耐久性: 長期間メンテナンスフリーを希望するなら、耐候性の高い塗料を選びましょう。また、自宅の立地条件(強い日差し、海沿いなど)によっては、特定の塗料が適している場合もあります。
4.環境負荷: 環境に配慮するなら、水性の塗料を選びましょう。また、塗料の製造過程や廃棄方法についても考慮してもいいかもしれません。
まとめ
外壁塗装の塗料選びは、家の耐久性と美観に大きく影響します。
外壁材の種類や予算、耐久性、環境負荷を考慮しながら、最適な塗料を選びましょう。
安全に、そして長持ちする外壁塗装をおこなうためにも、適切な塗料選びと専門的な施工が重要です。
実際の塗装作業は専門的な技術を必要とするため、プロの業者に依頼することをお勧めします。
*K*
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