屋根カバー工法とは?メリットや適した屋根材は?
投稿日:2025.7.26 更新日:2025.8.4
屋根カバー工法は屋根を新しくする工事の一つで、既存の屋根材を撤去せずにその上から新しい屋根材を重ねる方法です。
重ね葺き工法とも呼ばれるこの方法は、コスト削減や工期短縮のメリットがあることから注目を集めており、多くの住宅で採用されています。
ただし、屋根材を完全に撤去する葺き替え工法と比較すると、適用条件や注意点も存在します。
本記事では、屋根カバー工法のメリットや注意点、適した屋根材について詳しく解説します。
屋根カバー工法とは
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる工事です。
この工法によって既存の屋根材が下地材として機能し、新しい屋根材と合わせて二重の防水層を形成します。
施工の流れは比較的シンプルです。
まず既存屋根の状態を調査し、損傷している箇所があれば補修をおこないます。
次に、既存屋根材の上から防水シートを貼り、その上から新しい屋根材を設置します。
既存の屋根材がそのまま残るためこれが下地として機能し、新たな野地板の設置がいらないためコストと工期の削減につながります。
また、既存の屋根材が断熱材としても機能するため、建物の断熱性能が向上する効果もあります。
屋根カバー工法はすべての屋根でできる?
屋根カバー工法が適用できるかどうかは、既存の屋根材によって異なります。
既存屋根材がコロニアルやカラーベストなどの化粧スレートの場合、表面が平坦なので新しい屋根材との密着性が良好でカバー工法に最適です。
ただし、劣化が激しい場合には事前の補修が必要になります。
また、金属屋根材にもカバー工法はおこなえますが、既存屋根材の状態によっては新しい屋根材との密着性に問題が生じる可能性があるため、注意深い判断が必要です。
一方、瓦屋根は凹凸が激しく、新しい屋根材との密着が困難なため一般的にはカバー工法は推奨されません。
屋根カバー工法のメリット
屋根カバー工法には、以下のようなさまざまなメリットがあります。
コスト削減
カバー工法では既存屋根材の撤去作業がないため、撤去費用と廃材処理費用がかかりません。
そのため、工事費用を大幅に削減することが可能です。
とくにアスベストを含む古いスレート屋根材の場合、撤去時に特別な処理が必要となるため高額な費用が発生しますが、カバー工法ではこれらの費用もかかりません。
工期短縮
撤去作業がないことから、葺き替え工事と比較すると約半分の期間で工事を完了することが可能です。
工事をしている際は生活が制限されることも多いため、工期が短縮できる点は大きなメリットになるでしょう。
工期短縮によって生活への影響を最小限に抑えることができ、とくに梅雨前などの緊急性の高い工事において有効です。
断熱性の向上
カバー工法では屋根が二重構造になることで空気層が形成され、断熱効果が向上します。
その結果、冷暖房効率が改善されて光熱費の削減にもつながります。
防水性の向上
防水性の向上もカバー工法の大きなメリットです。
既存屋根材と新しい屋根材の二重構造によって、万が一新しい屋根材に損傷が生じても、既存屋根材が二次防水として機能します。
その結果、雨漏りのリスクを大幅に軽減することが可能です。
屋根カバー工法の注意点
屋根カバー工法を成功させるためには、いくつかのポイントに注意しなければいけません。
下地の状態確認
カバー工法では既存の屋根材がそのまま残るため、構造的な問題がなく、下地材が健全であることが前提条件となります。
そのため、まずは既存屋根の状態の詳細な調査が必要です。
下地材の腐食が進行している場合や雨漏りが発生している場合など、構造的な問題がないかを事前に確認して、必要に応じて適切な補修をおこないます。
また、劣化が激しい場合はカバー工法よりも葺き替えが適している可能性もあります。
重量の増加
既存屋根材の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根重量が増加して建物構造への負荷が大幅に高まります。
そのため、建物の構造的な耐力を確認する必要があります。
とくに、古い木造住宅の場合は現在の耐震基準を満たしていない場合があるため、安全性の確認が欠かせません。
重量増加によって耐震性能がさらに低下する危険性があり、地震時の揺れが大きくなって倒壊リスクが高まる可能性があります。
もし構造上の問題がある場合は、葺き替えを選択する方が安全で確実な選択肢となります。
業者選び
カバー工法では業者選びにも注意が必要です。
この工法は既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる特殊な工事なので、施工経験と専門知識が不可欠だからです。
そのため、経験豊富な専門業者を選ぶことが重要です。
経験不足の業者が施工すると、防水処理や下地処理の不備によって雨漏りが発生したり、建物の安全性に問題が生じる恐れがあります。
このような施工不良は深刻な問題になり、結露やカビの原因となることもあります。
カバー工法の施工実績が豊富なことはもちろん、アフターサービスや保証制度が充実してることもポイントです。
カバー工法に適した屋根材
屋根カバー工法で新たに使用する屋根材には、軽量で施工性の良い屋根材が適しています。
最も一般的なのは金属屋根材です。
ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金製の屋根材は、軽量でありながら高い耐久性を持っているためカバー工法に適しています。
また、加工性も良好で複雑な屋根にも対応でき、遮熱塗装を施したものも多いため夏場の温度上昇を抑制する効果があります。
アスファルトシングルもカバー工法で人気の屋根材です。
軽量で柔軟性があり、既存屋根材の凹凸にも追従しやすい特徴があります。
また、デザインやカラーバリエーションが豊富で、美観性も優れています。
まとめ
屋根カバー工法は既存屋根材の上から新しい屋根材を被せる工事で、コスト削減と工期短縮の両方を実現できる優れた屋根リフォームです。
ただし、カバー工法を成功させるためには既存屋根材の状態確認、適切な材料選択、正確な施工が不可欠です。
そのためには、経験豊富な専門業者による適切な診断と技術が必要になります。
詳細な診断をした上で問題があった場合は、葺き替えなどの最適な屋根リフォーム方法を選択することも重要です。
費用だけでなく技術力と信頼性を重視した業者選びによって、住宅の長期的な安全と快適性を保つことができるでしょう。
*K*
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