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屋根塗装を依頼した際、「縁切り（えんきり）」や「タスペーサー」という言葉を聞くことが多いと思います。

これから屋根塗装をしようと考えている方には、縁切りやタスペーサーにどのような役割があるのかぜひ知っておいていただきたいです。
　
縁切りは「屋根塗装の際に、屋根材と屋根材の塗膜を切って隙間を作る作業」で雨漏りを防ぐために必要な作業です。
　
タスペーサーは「縁切りを簡単におこなうための道具」で手軽なのに確実に縁切りすることができます。
　
（ただし、すべての屋根で必要なわけではありませんので、屋根の状態をしっかりと確認してから必要であればおこないます。）　

縁切りとは？

タスペーサーは屋根の縁切りで使う道具です。
まずは、縁切りについて詳しく解説します。

スレート屋根（カラーベストやコロニアル）の塗装で必要な作業

スレート屋根

スレート瓦

通常、屋根材と屋根材の間には隙間があいています。
隙間があることで雨水が入り込んでしまうのでは…？と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、屋根に隙間があってもなくても、大雨などの想定外の雨が降った際には屋根の構造上、屋根内部に雨水が入り込んでしまいます。
そのため、屋根内部に雨水を溜め込まないように、屋根材と屋根材の間に隙間を作り雨水の抜け道を確保することが必要になります。
　
また、抜け道を確保することは結露からも屋根材を守ります。
寒い時期の窓ガラスには、あたたかい室内と寒い屋外の温度差によって、内側の窓に結露ができてしまいます。これと同じことが屋根の内部でも起きているのです。
結露も雨水と同じように、排出しなければ結露した水分が屋根内部に溜まってしまい、断熱材や木材を腐らせてしまう恐れがあります。

屋根を塗装することで必要な隙間がなくなってしまう

スレート屋根の表面には溝があるのですが、この溝が屋根内部に浸入した雨水を外へ排出してくれています。
しかし、屋根塗装の際に塗料でこの溝を塞いでしまうことが多く、雨水の逃げ道がなくなってしまうのです。
その結果、屋根内部の腐食、さらには雨漏りへと繋がってしまうのです。

屋根材と屋根材の間に隙間を作る作業が「縁切り」

塗料によって塞がってしまった屋根材と屋根材の間の塗膜を切ることを「縁切り」といいます。カッターや皮スキと呼ばれる道具を屋根材の間に差し込んで、塗膜を切断して隙間を作ります。
縁切りをおこなうことで雨水や湿気がスムーズに排出されますが、縁切りの際にはかなり大きな音が発生します。また、塗料の乾きが悪く、再び塞がってしまう場合もあります。
さらに、縁切りは最後の塗装である上塗り後におこなうため、完成した塗装を踏むことになり綺麗になった屋根を汚してしまう恐れもあります。せっかく塗装をして綺麗になった屋根を剥がしてしまうという点が大きなデメリットになります。

縁切りで使う「タスペーサー」とは？

　
縁切りを簡単におこなうための道具が「タスペーサー」です。
従来はカッターを使った縁切りが一般的でしたが、現在ではタスペーサーでの縁切りが主流となっています。
タスペーサーを塗装した屋根材と屋根材の間に挟んで、屋根材の間に隙間を作った状態で固定させます。
従来の縁切りと同じ状態を維持することができる道具です。

タスペーサーのメリット

タスペーサーを使った際のメリットは以下になります。

①屋根が汚れない
②工期短縮
③価格が安い

それぞれ詳しく解説します。

①屋根が汚れない 

前述した通り、従来の縁切りは塗装がすべて完成した後におこないます。
隙間を作るためには塗膜を剥がすので、塗装を傷つけてしまうことがあります。
また、完成した屋根の上に乗って作業をおこなうため、綺麗な屋根を踏んで汚れてしまう場合もあります。
それに対して、タスペーサーは下塗りの後におこないます。
そのため、完成後の塗装に触れることがなく、綺麗になった屋根を汚してしまうことはありません。 

②工期短縮

一般的な住宅の屋根で縁切りをおこなう場合、約1日ほどの時間がかかってしまいます。
また①でもお伝えした通り、縁切りは上塗り後におこなうため、タスペーサーでの縁切りより足場の解体が1日遅くなってしまいます。
タスペーサーの場合は1人でおこなっても数時間で完了しますし、挿入するタイミングは下塗りと中塗りの間なので、カッターでの縁切りよりも工期を短縮できます。

③価格が安い

縁切りでの作業は人件費が1日分かかるため、費用は5万円～6万円ほどかかります。
一方、タスペーサーの単価は1個20円～50円程度で、費用は1,5万円～5万円ほどです。
このようにタスペーサーは、縁切りよりも安く済ませることが可能になります。

最後に

今回ご紹介したタスペーサーは、完成した塗装を汚すことなく縁切りをすることができ、工期の短縮も人件費の削減もできます。
縁切りやタスペーサーについて何も知らずに、すべて業者に任せてしまうと後悔してしまう場合もあります。
そのようなことがないようにするために、きちんと理解しておくことが大切です。

タスペーサーにはさまざまなメリットがあるため、設置したいと思われた方もいるかと思います。
しかし、タスペーサーはすべての屋根に必要なわけではありません。

四葉建装ではまずは屋根をしっかりと調査させていただきます。
屋根がどのような状態なのか知りたい、劣化しているのか不安など、少しでも気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

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